インゴットは、古くから資産として重宝され扱われてきた貴金属で、金の延べ棒やゴールドバーといった呼ばれ方もしています。
アニメや映画、ゲームなど様々なもので、金塊や金銀財宝を目にしたことがある人も多いと思いますので、あのイメージが強いのかと思います。
しかし、実際に本物のインゴットを見たことがある人や、インゴットとはどういったものなのか理解している人というのは意外と少ないはずです。 この記事では、インゴットについてあらゆる情報を解説していきますので、売る際や購入際にも役立て頂ければと思います。気になる方は是非参考にしてください。目次
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金のインゴットとは?
金のインゴットとは、持ち運びや保管が行いやすいよう溶かした金を鋳型に流し込んで作ったものを指した言葉です。
金地金、金の延べ棒、ゴールドバーなど、色んな呼ばれ方をしますが、純金を固めたものがそういった呼ばれ方をしています。
また、鋳塊(ちゅうかい)や地金(じがね・じきん)など、様々な言い方があって分からない事も多いと思いますので、その辺りも踏まえてインゴットについて簡潔に説明していきます。
刻印
様々なブランド品と違い、金のインゴットには保証書が存在しません。そのため、インゴット自体に刻印が施されており、その刻印がインゴットの価値や品質を保証するものになります。
刻印の内容は色々あるので、把握するのは難しいかもしれませんが、一つのインゴットに大体5~6個の刻印が入ってることが多いので一通り目を通しておいてください。
商標
インゴットを精錬したブランドのマークが商標として刻印されており、世界の金地金の基準となっているLBMA(ロンドン地金市場協会)の非常に厳しい審査基準をクリアした認定ブランドのみに刻印することが許されます。
製造番号(シリアルナンバー)
インゴットは偽物が作られることも少なくありませんので、製造番号も非常に重要な刻印の一つとなっています。インゴット一つ一つに番号が振り分けられているため、一つとして同じ数字のものは存在しません。
重量
映画やアニメの世界で目にするインゴットは、サイズも大きく台形の形をしていますが、あれはラージ・バーと呼ばれる最大級(12.5kg)のインゴットになります。
しかし、インゴットはもともと投資対象として作られているものなので、様々な重量のものが存在しています。
インゴットの様々な重量
- 1グラム
- 2グラム
- 5グラム
- 10グラム
- 20グラム
- 50グラム
- 100グラム
- 200グラム
- 300グラム
- 500グラム
- 1,000グラム(1kg)
- 12,500グラム(12.5kg)
このようにバリエーションが豊富なので、小さいからといって偽物ということはありませんし、一般的には1kg以上のインゴットを目にする機会のほうが少ないはずです。
素材表示(GOLD・FINE GOLD)
金のインゴットには、「GOLD」もしくは「FINE GOLD」いう刻印があり、この刻印は純金を意味しています。主に重量とGOLDの表記が、インゴットのイメージという方は多いはずです。
品位(純度)
品位とは、金の純度を示すための数値のことで、インゴット表面に必ず刻印されています。一般的に重量比率は千分率で刻印するため、99.99%以上の純度のインゴットには、「999.9」という刻印が打たれます。
また、この刻印には4つの「9」が並んでいることから、「フォーナイン」とも呼ばれる表記で、インゴットにおいて最も重要な純度を示しています。
製錬・分析者マーク
インゴットには精錬業者(メルター)と品位検定業者(アッセイヤー)を示す刻印があり、多くの場合はメルターとアッセイヤーが同じため、刻印は一つになっていることが多いです。
また、製造ブランドがメルターとアッセイヤーを兼ねている場合は、どちらのマークも省略されるので刻印されていない場合もあることは覚えておいてください。
種類
金のインゴットの種類は主に重量によって違い、バーサイズを呼ばれています。上でも紹介したように色々ありますが、一般的には500gと1kgのインゴットがポピュラーとなっています。
また、20g以下のインゴットはペンダントトップに用いられてることが多いので、大きなサイズと違って目にする機会は多いと思います。
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インゴットの作り方
インゴットは鉱山から金を採掘して成型するだけ、と思っているかもしれませんが、現在作られているインゴットの多くは、スクラップした金から作られたものです。
では、どういった手順でインゴットが作られるのか、簡単に解説しておきますので気になる方は参考にしてください。
インゴットが作られるまでの手順
インゴットが作られるまでには意外と長い工程がありますが、一つ一つの工程がどういった感じで行われているのか分かるはずです。
- 金の回収
- 溶解~固体
- ろ過
- 溶かす
- 粉末を固体にする
- 金の形を整える
- 検査
- 刻印
金の回収
金と言えば、我々の生活には欠かすことのできないスマートフォンやパソコンの半導体に利用されており、それらのスクラップから回収することができます。
また、買取業者などに売った貴金属やジュエリーなども回収された後に集められ、新たにインゴットの素材となります。
溶解から固体へ
スクラップから取り出された金は、一度溶かして再度固体へ戻すための作業が必要なります。金を溶かすのは非常に難しく「王水」と呼ばれる強力な酸を入れて溶かし、還元剤を入れて固体粉末に戻します。
ろ過して粉末を取り出す
粉末を含んだ液体をろ過することで、金の結晶粉末のみを取り出すことができます。ろ過することによって、金以外の成分や還元剤は流され、そこから取り出された金の粉末は純度99%以上となります。
また、この粉末を乾燥させることで、茶色の金粉末が出来上がります。
再び溶かす
純度99%以上とはいえ、インゴットの純度のは届かないため、さらに純度を高めるために王水で溶かしろ過するという作業を繰り返します。
乾燥させ、精製を繰り返すことで99.99%以上まで純度を高めることができ、インゴットの規格に適合するまでになります。
粉末を固体にする
粉末になった金は溶かした後に、固体として仕上げていく必要があります。金を溶かすためには1064℃以上で加熱した後、急速に冷却する必要があります。
この時点での金は数ミリサイズにまでなっており、金によってはこの状態で流通されることもあります。この形状の銀を笹吹きと呼びますがと、銀は961℃以上で溶けるため、金より粉末が精製しやすくなっています。
インゴットの形に整える
ここまでの工程を終えたらとうとう金をインゴットの形状に成型していきます。粒状態になった金を溶かし、鋳型へ流し込んで固めることで純度99.99%でインゴットの形状をした金が出来上がります。
ここまでの作業がファイブナインと呼ばれる、99.999%の金のインゴットを制作する方法になります。
検査・刻印で完成
インゴットの形なったものは、最後の仕上げである刻印を打つ作業へ移ります。品質検査を受けた後は、ロンドン金市場の公認マーク(メルターズマーク)や品質、ブランド名を刻印され、世界で通用するインゴットとなります。
上の方でも説明しましたが、インゴットには保証書がないため刻印の有無は品質の保証をする最も大切な要素だといえます。
インゴットのブランド一覧
インゴットには国内外問わず、様々なブランドがあります。インゴットの品質においては、認定されているブランドの刻印が入っているかどうかが非常に大きな要素なので、しっかりと把握しておく必要があります。
ここでは、日本国内のブランドと海外のブランドに分けて紹介しておくので、気になる方は目を通しておいてください。
日本国内の金インゴットブランド
まずは日本国内におけるインゴットブランドは以下の通りとなっています。
日本のインゴットブランド一覧 | |
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田中貴金属工業 | |
株式会社 徳力本店 | |
石福金属興業 | |
住友金属鉱山 | |
三菱マテリアル | |
JX日鉱日石金属 | |
三井物産 | |
住友商事 | |
三貴商事 | |
アサヒプリテック |
田中貴金属工業、徳力本店、石福金属興業の3社は3大地金商と呼ばれており、国内において代表的な地金商です。
その他の鉱山会社、商社、リサイクル業者も信用の高い認定ブランドなので、購入する場合はいずれかの刻印があるかどうか確認してみると良いかもしれません。
海外の金インゴットブランド
インゴットブランドは日本国内だけでなく、海外にも多く存在しています。数が多いので全部を紹介するのは控えますが、世界的にも知られているインゴットブランドは以下の通りです。
特にイギリス、スイス、オーストラリアには多くブランドがあります。イギリスのインゴットブランド | |
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Johnson Matthey | |
Engel hard | |
Engelhard-CLAL |
スイスのインゴットブランド | |
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Argor S.A. | |
Argor-Heraeus | |
Valcambi sa | |
Metalor | |
PAMP | |
Swiss Bank | |
Credit Suisse |
オーストラリアのインゴットブランド | |
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Golden West Refining | |
AGR Matthey | |
Perth Mint |
ドイツのインゴットブランド | |
---|---|
Degussa |
カナダのインゴットブランド | |
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Royal Canadian Mint |
ここに挙げた以外にもブランドはありますが、主なブランドは紹介していますので、インゴットをお持ちの場合は、これまでに紹介したいずれかのブランド刻印が入っている可能性が高いです。
インゴットの取引においては、ブランド刻印は非常に大きな要素となっているので、必ず把握しておくようにしておきましょう。
インゴットブランドの認定機関
インゴットの品質を保証されたブランドはいくつもありますが、そのブランドを認定するための代表的な機関があります。世界の金取引の中心でもあるロンドン、そして東京にも一つあるので紹介しておきます。
LBMA(ロンドン貴金属市場協会)
LBMA(ロンドン貴金属市場協会)は、世界の現物金取引の中心となっているロンドン市場で売買される地金を管理監督している認定機関です。
LBMAは、ロンドン市場で流通する金の規格を制定しており、さらにブランドの認定も行っていることから、世界的な中心という見方をされています。そのため、LBMAの規格が実質的な世界基準として扱われています。
また、LBMAの規格はロンドン金市場受渡適合品(グッドデリバリー・バー)と呼ばれており、金市場においても高い信頼を得ています。
東京商品取引所
日本で唯一の認定機関である東京商品取引所は、石油や電力の先物取引も行われています。「Tokyo Commodity Exchange, Inc.」を略して「TOCOM(トコム)」と呼ばれており、世界各国のインゴットを扱っています。
東京商品取引所が認めたブランドであれば、国際公式ブランドとして取り扱われるため、安心して取引を行えるということでもあります。
逆にそれ以外のブランドの場合は、売却時に問題が起こらないとは限らないので、取引の際には十分注意が必要になってきます。
金インゴットの購入・保管方法
それでは最後にインゴットの購入、保管方法について解説しておきます。金は手元に持っておくのが普通だと思われがちですが、資産として売買のみを行うことも可能です。
また、500g未満のインゴットを購入する場合はバーチャージという手数料が発生するので、購入する際にはバーチャージの確認も行っておくことをおすすめします。
直接購入
インゴットを購入する場合は、貴金属店や地金商などで購入できますが、精錬会社や銀行からも購入することが可能です。
また、インターネットでも購入可能というパターンもありますが、インゴットは偽物も多く出回っているため、必ず信頼できる売主から購入するようにしてください。
直接購入する場合は、自宅などでも保管になると思いますが、盗難のリスクは避けられないので、不安な場合は保管業者や銀行の貸金庫を利用したほうが良いでしょう。
純金積立
金のインゴットは純金積立と言われる方法で購入することも可能です。このシステムを利用する場合は、自宅に保管する必要がないため、現物の安全性という点では安心できます。
積立で購入した金は「特定保管」か「消費寄託」と呼ばれる方法で保管されますが、メリットとデメリットがあるので理解しておきましょう。
特定保管
特定保管とは積立で購入した金を保管業者で保管するため、業者が倒産した場合でもインゴットの回収が可能となっている保管方法です。
特定保管の場合は、保管業者が監査を受けていたりする場合もあるので、安全面においては非常に高い保管方法だといえます。
消費寄託
消費寄託も購入後に金を業者に保管してもらうという点では同じなのですが、大きな違いが金の所有権が保管業者に移るという点にあります。
この方法だと、業者が倒産してしまった場合に金が返却されない可能性もありますが、保管業者が金の運用をすることで利益を生み出しています。
その利益を預けた側に還元される仕組みとなってるいるため、利息がつかない金で運用益を得たいという方は消費寄託を利用しています。
どちらの方法にもメリット・デメリットがあるので、積立で購入する際は安全性と利益のどちらを優先するのか決めた上で購入するようにしてください。
金のインゴットまとめ
昔から価値の高さを認められてきた金ですが、売り買いをする場合はいくつもの注意点があります。
また、金は投資だけでなくアクセサリーなどでも使われており、意外と身近なものであるため、当店に売りに来られる方も多くいますが、中にはメッキのアクセサリーを金だと思っている方もいらっしゃいます。
目利きができない場合は、信頼できるところから購入して、信頼できる店に売ることが大切になってきますので、不安な点などがある場合はお気軽にご相談下さい。
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写真のない証明書(健康保険証など)の場合は、現住所の記載がある公共料金の領収書が必要になるので、事前にご用意ください。また、未成年の方は保護者からの委任状や同伴が必要です。