時計業界にもブランド業界と同じように、コングロマリット(複合企業)が存在しており、時計界の三大コングロマリットといえば、「スウォッチグループ」「リシュモングループ」「LVMHグループ」となっています。
その中でも、世界最大の規模を誇るのがスイスに本拠地を置く「スウォッチグループ」で、オメガなど世界的な人気時計ブランドを傘下としています。
この記事ではそんなスウォッチグループについて解説していきますので、時計産業の歴史や背景などを知っておきたいという方は是非、目を通してみて下さい。
この記事では、以下のような内容を知ることができます。
世界最大のコングロマリット「スウォッチグループ」について、歴史や傘下ブランドなどあらゆる情報を紹介しています。
- スウォッチグループとは?
- スウォッチグループの歴史
- スウォッチグループの特徴
- スウォッチグループ傘下のブランド
目次
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スウォッチグループとは?
時計製造としては世界最大の規模を持つスウォッチ・グループですが、ここまでの規模になったのは日本の時計業界も大きく関わっています。その辺りも踏まえてまずは、スウォッチグループの歴史や特徴などを紹介していきます。
スウォッチグループの歴史
スウォッチグループは18の時計ブランド、160を超える事業組織を抱える巨大コングロマリットですが、その歴史は1926年にまでさかのぼります。
エテルナからETAが独立
スイスの時計産業では、古くから中小企業の連携が盛んでしたが、時計メーカー「エテルナ」のムーブメント製造部門であったETAが独立したことから始まります。
当時、乱立していたムーブメントメーカーをまとめようとしたETAは「エボーシュSA」という企業グループを結成しました。
その後、1929年にはスイス時計産業にも深刻な影響を及ぼした世界大恐慌が訪れますが、1930年にスイス銀行やオメガによる「SSIH」、1931年にはスイス銀行連盟やロンジンによる「ASUAG」を発足して、恐慌を乗り越えることに成功します。
セイコーがクオーツを発売
1969年にセイコーが開発した日本製のクォーツムーブメントが登場したことで、スイス時計業界は再び窮地に立たされることになりました。
いわゆるクォーツショックと言われるこの出来事によって、苦境に立たされたSSIHとASUAGは合併、さらにETA社が加わったことで「スウォッチ」が発売されることになります。
クオーツ製でプラスチック素材、さらにファッション性が高いデザインということもあり、安価なスウォッチは世界中で注目を浴びることになりました。
その後、段階を踏みながら1985年にSMHグループ、1998年にはスウォッチ グループと名称を変更しており、その後は同名のまま現在に至ります。グループの特徴
スウォッチグループの大きな特徴となっているのが、時計に関わる全てを自社グループ内で補うことができるという点です。
その点においてはライバルであるリシュモンやLVMHとは大きく違っており、ETAが製造するムーブメントはあらゆる時計メーカーへ供給されています。
今後はムーブメントの供給を縮小
現在、スウォッチグループの方針により、グループ外のブランドへのムーブメント供給は段階的に減らしていくことが発表されています。そのため、これまでにETAから供給を受けていた各メーカーは、自社製ムーブメントの開発をしていかなければならない状態になっています。
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スウォッチグループ傘下のブランド
ここからは、スウォッチグループの傘下となっているブランドを紹介していきます。まず覚えておくべきは、スウォッチグループのブランドは価格帯や購買層によって大きく4つに分けられているという点です。
プレステージ・ラグジュアリー レンジ | |
---|---|
ブレゲ | ハリー・ウィンストン |
ブランパン | グラスヒュッテ・オリジナル |
ジャケ・ドロー | レオン・アト |
オメガ |
ハイ レンジ | |
---|---|
ロンジン | ラドー |
ユニオン・グラスヒュッテ |
ミドル レンジ | |
---|---|
ティソ | バルマン |
サーチナ | ミドー |
ハミルトン |
ミドル レンジ | |
---|---|
スウォッチ | フリック・フラック |
以上がスウォッチ グループのブランドになっています。各レンジの特徴やブランドを紹介していくので、気になるところがあれば目を通してみて下さい。
プレステージ・ラグジュアリー レンジ(Prestige&Luxury Range)
まずは、スウォッチグループの中でも最高級に位置される「プレステージ・ラグジュアリーレンジ」について解説していきます。
このレンジは当初、オメガだけを位置付けしていましたが、結果的に失敗に終わってしまいます。
その後、一流ではあるが小売ネットワークが乏しく、現在では凋落してしまった既存ブランドの買収を行い、自社グループに加えていっています。
ブレゲ(BREGUET)
「ブレゲ」は、1775年にフランスのパリで創業された時計メーカーで、マリー・アントワネットやナポレオンなど、王侯貴族を顧客に持っていたことで非常に有名なブランドです。
長い歴史の中で、低迷していた時期もありますが、1999年よりスウォッチグループ傘下となり、順調に業績が回復。現在ではグループの中でも筆頭ブランドとなっています。
ハリー・ウィンストン(HARRY WINSTON)
「ハリー・ウィンストン」は、1932年にニューヨーク5番街で設立された宝飾ブランドで、「キング・オブ・ダイヤモンド」とも呼ばれています。
創業者の死後、二人の息子が長きに渡り経営権を巡り争いますが、2012年にはウィンストン一族から離れ、スウォッチグループの傘下となっています。
ブランパン(BLANCPAIN)
「ブランパン」は、193年に創業された最古の時計ブランドですが、クォーツ・ショックの際に既に経営状態が悪化しており、クオーツムーブメントの開発に参画することができず、休眠状態に陥りました。
その後、1992年にスウォッチ・グループに買収され、永久カレンダーやトゥールビヨン搭載時計を開発するなど、複雑機構を得意とする時計ブランドとして復興しています。
グラスヒュッテ・オリジナル(GLASHÜTTE ORIGINAL)
ドイツの高級素手時計メーカー「グラスヒュッテ・オリジナル」は、自社一貫生産のマニュファクチュールで、2000年にスウォッチグループの傘下へ入っています。
また、2000年と2001年に2年連続でウォッチオブザイヤーを受賞しており、精度や耐久性の高いドレスウォッチやスポーツウォッチを制作しています。
ジャケ・ドロー(JAQUET DROZ)
「ジャケドロー」の創始者であるピエール・ジャケドローは、ブレゲと並ぶ天才時計師として名を馳せ、オートマタの制作者としても知られる人物です。
19世紀半ばには後継者不足から閉鎖に追い込まれますが、1996年に復興し、2000年にスウォッチグループの傘下となりました。現在はグランセコンドが、ブランドのフラッグシップモデルとなっています。
レオン・アト(LÉON HATOT)
聞きなれない方もいると思いますが、20世紀初頭のアールデコ時代に巨匠と呼ばれた「レオン・アト」は、装飾時計で名を馳せた時計ブランドです。
レオンアトが亡くなった後、彼のデザインがどこにあるか分からない状況になっていましたが、80年代後半に銀行の貸金庫から5,000点に及ぶ時計やジュエリーのデザイン画が発見されています。
これらをスウォッチグループが継承し、ブランドとして蘇らせており、現在でも一部に熱狂的なファンがいるブランドとなっています。
オメガ(OMEGA)
オメガはスイスの高級時計の中でも代表的なブランドの一つで、1930年にティソなどとSSIHグループを結成、1983年にはスウォッチグループの前身であるSMHグループを結成しています。
オリンピックの公式タイムキーパー、NASAの公式時計、さらにコーアクシャル機構の開発で時計業界に衝撃を与えたりと、現在も時計業界を牽引する時計メーカーです。
また、スウォッチグループの傘下に様々な供給会社が入ることで、様々なサポートを受けており、グループで最もその恩恵を受けているブランドとも言えるでしょう。
ハイ レンジ(High Range)
「ハイレンジ」の特徴は、高級時計の中でも比較的リーズナブル、コストの良い高級時計といった立ち位置のブランドが属しています。ハイレンジに属するブランドは以下の3ブランドです。
ロンジン(LONGINES)
「ロンジン」は、1832年にスイスのサンティミエで創業したブランドで、19世紀後半から20世紀前半に非常に人気がありました。
また、クオーツ・ショックの煽りをもろに受けたブランドの一つで、倒産こそ免れましたが大きく規模を縮小し、1983年にスウォッチグループに買収されています。
ラドー(RADO)
「ラドー」は1917年に創業したスイスの腕時計ブランドで、ユニークな素材や型にはまらないデザイン性がブランドとしての大きな特徴です。
1983年にスウォッチグループの前身であるSMHグループへ参加し、その後は様々なモデルを発売するなど、スウォッチグループの中核として日本でも直営店などで販売されています。
ユニオン・グラスヒュッテ(UNION GLASHÜTTE)
ユニオングラスヒュッテは、日本では馴染みが少ないブランドだと思いますが、1996年にグラスヒュッテ・オリジナルの別会社として設立されたブランドです。
スウォッチグループの傘下になったのは2000年で、文字盤からムーブメントの部品まで95%以上を自社工場で製造しています。
ミドル レンジ(Middle Range)
世間的に言われるミドルクラスの時計というのは、この10年で目まぐるしく変化しており、様々な新興ブランドが凌ぎを削りあう群雄割拠の価格帯になっています。
そういった中で、スウォッチグループの「ミドルレンジ」と言われるブランドたちは、近年高級路線ではないユーザー層に対して、非常に人気となっています。
ティソ(TISSOT)
1853年にスイスで設立したティソは、1985年にスウォッチグループの傘下に入り、モータスポーツのスポンサーなどを積極的に行っている企業です。
また、トラディショナルウォッチという分野において世界一の生産量を誇っており、比較的購入しやすい価格帯などから人気があります。
この他にもバルマン(BALMAIN)、サーチナ(CERTINA)、ミドー(MIDO)、ハミルトン(HAMILTON)といったブランドもミドルレンジに枠組みされています。
べーシックレンジ(Basic Range)
グループの中で最も一般層向けとなっており、安価な品物を提供しているのが「ベーシックレンジ」で、「スウォッチ」と「フリックフラック」の2メーカーがベーシックレンジに属しています。
なかでもスウォッチは日本のセイコーウォッチに対抗するべく、デザイン性と安さを武器にくわえ、セカンド・ウォッチという概念を掲げ1983年にスウォッチ(swatch)を発売しています。
毎シーズンごとに多くの新作を発売し、各モデルが1シーズンのみの販売にするなど、安価な時計を沢山売るという手法はあらゆる国で親しまれ、現在では世界中にコレクターが存在しており、知る人ぞ知るブランドとなっています。
まとめ
時計業界最大のコングロマリット「スウォッチ・グループ」について解説してきましたが、時計業界の歴史と共に成長してきた企業であり、この組織がなければ失われていた技術や歴史に埋もれていたブランドもあったはずです。
また、ブランド数の多さや規模など、知ることでその大きさに驚いたという人も多いと思います。当社では、スウオッチグループのブランドを強化買取していますので、使わなくなった腕時計やお持ちの場合は気軽に査定にお申込みください。
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